夏への扉

下の記事の続きです。

まあ、とにかくここからは、僕が脚本を提供した
劇団ヘロヘロQカムパニー例外公演 sechs「タイム・ドカーン~嘘への扉~」
についてのお話です。
ヘロQに芝居を書くのは、今回で3回目。
新人公演としては、2004年の「ヘロヘロ大パニック〜バレルナキケン~」以来、
5年ぶりとなる作品でした。
既にいろんなところで言っているのですが、僕個人としては、
今回の「タイム・ドカーン~嘘への扉~」は、僕がこれまで作ってきた
全ての脚本の中で最高傑作だと思っています。
実は、脚本の第1稿が完成した時点で「今回は名作かも」と思いました。
きっと、物語の完成度としては、去年、同じくヘロQに書いた
「マッハ・レコーディング A GO GO!!」の方が高いのかも知れませんが
(舞台のできという意味ではありませんよ)
あくまで、個人的な、そして作家としての満足度などの面において、
最も納得するシチュエーションコメディが書けた気がします。
1年以上前の下の「HOT FUZZ」の記事でコメディとサスペンスの
ことに触れていますが、今回はそれを実演してみたようなイメージです。

出来ていないタイムマシーンを出来ているように見せるという
わかりやすいコメディーシチュエーション。
(余談ですが、実は、バレルナキケンは、もともとこういう構造の話にする予定でした。
タイトルの「バレルナキケン」というのは、そういう意味で、
映画「グッバイレーニン」のような話にする予定でした。
なんだかんだでそうはなりませんでしたが……)
視点は騙す側にあるので、コメディーになるのですが、
今回はこれの更に上に、もう一つ観客に見せていない事実を
作ることでミステリーとしての仕掛けを作ってありました。
しかも、謎としてのフリを入れていないので、ラストで急に
今まで無かったはずの謎が生まれ、数珠つなぎで謎解きが始まるーー
という手法をとってみました。
今回は、自分でもその辺が上手く出来たんじゃないかなと思います。
脚本家の自己満足かも知れませんが、お客さんに
「騙された」と言って貰った時は、本当に嬉しかったです。

これまで、僕が書いてきた本というのは、
「三谷さんならどう書く?」
ってことを考えながら作ってる感じもあったし、
ああいうものが作りたいって気持ちが一番にあった気がします。
でも、今回は、きっと三谷さんは書かないタイプのシチュエーションコメディで、
僕の色が出せたかなって思うのです。

なんか、こんな風に脚本のシステマチックな話をする気はなかったんですが、
いつの間にかそればかりになってしまいました。
話を変えます。
もともと、この作品の最初のアイディアが出来たきっかけは、
ポアロの「No Negative, No Life.」の中に書いた「やっと恋ができた」の歌詞に

「憧れてた『夏への扉』で伝えたいんだ」

という歌詞を書いたことに発します。
これをきっかけにそれまで、ちゃんと読んだことがなかった
ハインラインの「夏への扉」を読んでみようと思い、読んでみました。
思ってた以上のクォリティーとさわやかな読後感に感動して、
「これを現代風にアレンジして芝居にしたら面白いかも」
と思ったことがきっかけです。
ビッグバンで行った韓国旅行の帰り道で長沢さんに
「舞台上に猫を出すとしたらどうします?」
と相談したのを覚えています。
それから、ヘロQの新人公演のお話をいただいて、
内容のブレスト会議の時、関さん長沢さんに『夏への扉』の話をしました。
芝居とタイムマシーンは非常に相性が良いですし、
関さんも「タイムマシーンモノ良いですね」ということで、作ってみることに。
結局、原作的な扱いではなく、タイムマシーンという部分だけを残して
全く違うシチュエーションコメディにすることにしました。
それでも、『夏への扉』のさわやかな空気感は何となく残したかったので、
それを意識して書いてみました。
僕の書いた脚本では始めて恋愛要素もちょっぴり入ってますし。
また、キャラクター作りも『夏への扉』を意識してみました。

主人公  ダン(ダニエル・ブーン・デイビス)  → 段田文彦
ヒロイン リッキイ・ジェントリイ        → 鳥井桐香
妹    マイルズ・ジェントリイ        → 鳥井舞子
恋敵   ベル(ベリンダ・シュルツ・ダーキン) → 鈴森尹明
博士   ヒューバート・トウィッチェル     → 飛羽塔子
助手   チャック・フロイデンバーグ      → 風呂井誠一
協力者  サットン夫妻             → 佐藤夫妻
猫    ペトロニウス(ピート)        → ペトロニウス

などなど。
おしゃれな感じじゃないですか?
あと、ラストも『夏への扉』のさわやかさをかなりイメージしました。
書きながら、頭の中に山下達郎の『夏への扉』が流れていました。
実際に、音響の前田さんにお願いして、舞台上にも山下達郎の『夏への扉』を
流して貰いました。さわやかで良い曲ですね。

今回は、例外公演、つまりは新人公演ということで、かなり稽古は難航していたようです。
実は脚本は、「あいつちょっとこっちみてやんの。」の全てのコントより
先に書き上げ、6月の早い段階で出来上がっていました。
が、稽古がなかなか進まず、最終的な大幅変更の依頼が来たのが、本番の一週間前。
ヘロQとしては、いつものことながら流石に「ここに来て?!」
と思ってしまいました。
僕の脚本の問題点のひとつに、演出すると伸びるっていうのがあります。
脚本上は、短くてもお芝居にすると伸びる。
これは、僕の本は殆どの話の展開が笑いのネタの中で進行していきます。
僕自身はお芝居もコントも分けて書いているつもりはないので、
ネタが続いても何も問題ないのですが、お芝居の人には
「ケツをつける」という感覚があるそうです。
例えば、10万円の壺を割ってしまった相手に対して……
風呂井「弁償しますよ」
健児「20万ですからね!」
風呂井「値段上がってません?!」
というネタがあったんですが、僕が書いたのはここまで。
しかし舞台上では……
風呂井「弁償しますよ」
健児「20万ですからね!」
風呂井「値段上がってません?!」
健児「慰謝料込みです!」
まで、台詞が足されています。
つまり僕が書いた上の状態では、「健児」の気持ちの
ケツがついていないということで、ここまで台詞が増えるわけです。
しかし、僕の感覚では台詞は全てギャグなので役者の気持ちの
整理は考えていないし、必要性を感じないため書いていません。
なので、実際に演出すると伸びるんです。
ということで、尺の調整などで一週間前に台本の変更が来ました。

あら、気がつくとまた台本の話をしていますね。
まあ、とにかく、一週間前に大幅変更を行うという大変な状態の中、
新人の皆さんは頑張っていました。
今回、殆どの新人さんとは、初めましてだったんですが、
なんだか初々しくて、みていて嬉しくなっちゃいました。
そして、5年前に僕が新人公演を書いた時に、
まだ殆ど演技経験がなかった上田君はいつの間にか結婚して、
みんなの先輩として芝居を引っ張っていました。
非常に感慨深いです。
僕はこの5年何も変わってないですね。

とにかく一番大変だったのは、主人公の段田役の兼島信哉君です。
僕の本は、基本狂言回しの人が出ずっぱりで、本当に大変なんです。
特に今回は、一人でずっと高いテンションのまんま
振り回されるので、喉の負担も大きいですし、体力的にも大変な役回りです。
あげく、飲み物を飲む間もあまりないですし、舞台から引っ込むタイミングも殆どありません。
ずっと「申し訳ないな」と思いながら舞台をみてました。
でも、兼島君の一生懸命さはお客さんにも伝わったんじゃないでしょうか?
その熱気は、どんな技術的な芝居より、お客さんの笑いを連れてきたと思います。

あと、僕がリアルに恋してしまったこの作品のヒロイン
「鳥井桐香」を演じてくれた杉崎聡美さん。
彼女にもロッカーに入る度に体中をロッカーにぶつけ
楽日にはアオタンだらけになりながらも頑張って貰いました。
桐香の笑顔は、とても無邪気で、楽しそうで、素敵だったと思います。
あんな女の子が僕の周りにいたら、きっと僕は
すぐに好きになってしまうでしょう!
ラストの段田君とのやり取りなんて、
何度も舞台をみながら、キュンとしてしまいました。
段田君がうらやましいです。

いつも思うのですが、ヘロQのみなさんと一緒になると心が温まります。
ヘロQさんとは、僕は公演ごと、「点」でしか、付き合いがないのですが、
本当にみなさん家族的で素敵です。
関さんや長沢さんを始めとした、劇団員の皆さんの人柄なんだと思います。
僕も、みなさんの家族にはなれなくても、時々遊びに来るウザイ親戚の
おじさんくらいになれれば嬉しいなって思います。

そんなこんなで、僕の2009年の夏は、
久々に青春を感じた夏でした。
まるで、タイムマシーンで思春期に戻ったような……

ヘロQの全公演後、高田馬場で朝まで打ち上げして、
家に帰って仮眠。
眠い目をこすりながら仕事のため部屋を出た、8月24日。
i-Podからは山下達郎の『夏への扉』。
自分の部屋のあまり重くない扉を開けたら、
風が急に涼しくなっていて、

「ああ、夏が終わったんだなぁ……」

と思いました。
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# by poaroman | 2009-09-04 01:38 | 雑記

夏の終わり

夏が終わりました。
食三マンションで過ごす中、
1年以上ぶりにブログでもかいてみようと思います。
今年の夏はかなり忙しかったというか、大変な夏でした。
7月にSMILY☆SPIKYのコントライブがあって、8月にヘロQの例外公演。
更に、未だ発表できないですが、春頃から、とある大きなゲームの
プロジェクトに呼んでいただいており、その3つの仕事に加えて
通常のレギュラー番組の収録などもあり、ありがたくも多忙な日々を
過ごさせていただきました。
これまでこのブログではあまり、仕事のことは書かなかったのですが
(というか、ブログ自体全然書いていませんでしたが)、
この夏の仕事はどれも印象的だったので、少しかいてみたいと思います。

ゲームプロジェクトの件については、まだ何も発表できないので詳しく記せませんが、
とにかく今まで僕が殆どやったことのない、このゲームシナリオという仕事。
同じシナリオの仕事なのにワード数の制限や、プログラム側との調整など、
作品のドラマ性以外にも、様々な考慮点があることを実感しました。
勝手がわからず、大変でもあり、その分面白くもありますが、
とにかくとても勉強になっています。
この仕事自体は、まだまだ1年近く作業が続くと思うので、
不安を抱えたままではありますが、なんとか周りの皆さんの力を借りつつ、
エンディングロールで自分の名前をみるまで、やり遂げたいと思います。

そして、7月に行ったSMILY☆SPIKYコントライブ「あいつちょっとこっちみてやんの。」。
SMILY☆SPIKYのコントライブとしては2回目になる今回ですが、
今回は僕自身もかなり勉強になりました。
前回も郷本直也さんを含め、多忙なゲストの方に来ていただきましたが、今回はそれが3人。
SMILY☆SPIKYだけでも忙しい二人なのに、そこに朴ろ美、名塚佳織、入野自由という
普通なら、スケジュールが合うはずもない、超多忙な皆さんとコントを作ると言うことで、
「大変だろうな」という予想はありましたが、予想以上に大変でした。
今回、僕自身の不安要素は大きく3つでした。
第1にスケジュールのこと。とにかく稽古期間が足りず、加えて、本番当日を含めて
たくさんのハプニングがあって、朴さんを筆頭に全員が「幕が開かない」と半ば諦めていた
この公演でした。しかし、ふたを開けてみれば大成功。奇跡を感じました。

第2に脚本のこと。自分では面白いモノを作っているつもりですが、
それが本当に伝わるのだろうかという不安。
2回目とはいえ、今回のお客さんは殆どの人が普段、
コントなどをみたことはない人たちであるということ。
加えて、様々な理由から、第一稿から何度も変更を余儀なくされる部分があったことなど。
色々と、不安要素もありつつ、台本を作りました。
脚本に関して、今回、最も楽しかったのは、頭のカーテンコールです。
「何があったのかわからないが、緞帳が上がった瞬間に出演者が号泣していて、
反省点を述べているというシチュエーションは面白いかも」
という、発想から作りました。
最初にイメージしたのは、「一人ごっつ」のピー助。
反省会の中で、「そんなことがあったのかよ!」という
ツッコミを入れたくなるようなボケの中身を見せないコントを考えてました。
しかし、失敗ネタを作り始めてみると、考えたエピソードを
実際にやってみたい衝動に駆られ、結局、全てを前振りとすることに。
結果、フォークダンスDE成子坂の「自縛5」の「訪問販売」的な演出されたミスを
見せる形になり、非常にライブ自体が立体的になったと思います。

そして、第3の問題。演出。
これが最大の問題。こういったライブをする度に思うんですが僕は演出に向いていない。
ラジオの構成作家という職業がそうさせるのかも知れませんが、
僕は演者の考えている方向や、やりたいことを自分のやりたい方向に変えるのが
とても苦手みたいです。
特に、僕が作っているモノはコントなので、演者に楽しくやって貰いたいわけです。
そのために、演者のやりたい方向をねじ曲げるのが嫌いなんです。
芝居なんて(コントですが)どんだけやっても儲からないし、何かの仕事につながる
ようなこともほとんど無いから、演者の皆さんには、稽古場だけでも楽しんで貰いたい。
っていうのが僕の考えで、稽古場が楽しくない芝居は、たとえ成功しても、
僕にとってはあまり意味のない芝居なんです。
これは、別に本業があったりして、舞台というモノに本気で取り組んでいない人間の
考え方なのかも知れませんが、僕はやはり、演者が楽しんでほしいんです。
だから、あまり演出をすることが好きじゃないんです。
もちろん、間違った方向の演技だったり、システム的に笑いが来ない形の
演技になってしまっている場合については修正して貰いますが、
その他の部分での演出がよくわからないんです。
この原因のもう一つは、笑いのシーン以外は全て「フリ」って思ってるって
いうのもあるのかも知れません。
だから、ツッコミやボケの形を演出してあげることは出来るのですが、
それ以外の部分は、余りよくわからないというのが正直なところです。

そういった不安を抱えながらの本番でしたが、結果は成功だったと思います。
お客さんも温かく見守ってくれたし、チームワークも良かったし、
本当に演者の5人は「みんな天才だな」って思いました。

中でも、今回殆ど始めましてだった入野自由くんには、驚きました。
コントは初めてだという自由くんに、僕はベタなコントのボケ役を与えました。
稽古場でもかなり悩んでいたようです。
僕のつけた演出に対しては、確実にリクエストに応えて、言ったとおりの形で
初めてとは思えないクォリティの芝居をしてくれてはいるのですが、
どこか、本人的に疑問が残ってるような感じが続いていました。
しかし、本番でお客さんが入り、反応が返ってきた瞬間、
自由君は全てを理解したようで、瞬間的に
最高の顔と最高の間と最高の言い方で、ボケを繰り広げてくれました。
「ああ、天才っているんだな」って本番の調光室で驚いたのを覚えています。

とにかくこんな素敵な機会を与えてくれたSMILY☆SPIKYに感謝です。
僕がこの業界でこういった活動をしながら、大好きな「コント」に関われるのも
SMILY☆SPIKYのおかげです。
あの何故か妙に華のあるキモキレの良い動きのマモと、
役者なのにちゃんと、ツッコミの間でつっこむことが出来る本当に貴重な存在、
しゅんりーの二人に出会えたことにこの上ない喜びと感謝を感じます。
本当にありがとうございました。
おかげさまで楽しい夏が過ごせました。

そして、ここからは僕にとってこの夏の最大の出来事。
ヘロQの例外公演についてもかきたいと思います。
実は、今回のブログはこれが書きたくて、久々に更新しようと思ったのですが、
ここまでの話も異常な長さになってしまいました……。
せっかくなので記事を変えます。
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# by poaroman | 2009-09-04 01:34 | 雑記

HOT FUZZ

水野晴夫さんが最後に観た映画と言うことで、少し有名になった
この映画ですが、先日観に行きました。
日本での劇場公開を求める署名が集まり、ついに公開に至ったと
言うことで期待していきましたが、期待を裏切ることのない
すばらしい映画だと思いました。

当初は、コメディー映画だということを前面に押し出していたし、
邦題も「俺たちスーパーポリスメン」という「俺たちフィギュアスケーター」を
彷彿とさせるので、「俺たちフィギュアスケーター」的な完全コメディー映画を
想像していたのですが「HOT FUZZ」は完全コメディーというより、
アクションやサスペンス要素もある非常に映画的な映画でした。
(「俺たちフィギュアスケーター」がはやってからコメディー映画の邦題に
「俺たち」ってつける習慣は何とかならないモノだろうか? 
日本の配給会社は「俺たち」ってつけたら「俺たちフィギュアスケーター」の
続編だと思って見に来るやつがいるとでも思ってるんでしょうか?)

アクション映画でありコメディー映画という作品は他にも数多くあります。
広く言ってしまえば、ジャッキーの現代映画なんかはほとんどそんな感じです。
しかし、「HOT FUZZ」は、そういうアクションシーンとコメディーシーンの
バランスが絶妙な作品と言うよりは、
「アクションしていること自体がコメディー」という一元論的な映画でした。
詳しく書いてしまうと、どんどんネタバレしていってしまうので、なかなか
書きづらいのですが、それぞれのシーンにのめり込みながらも、
ふと自分の視点を客観に入れてみると、妙におかしさがこみ上げてくるという作り。
コメディ映画だと思えばずーっとコメディ映画だし、
サスペンス映画だと思えばずーっとサスペンス映画。
そんな作品でした。

話は少し変わりますが、
「アフター・スクール」と「ザ・マジックアワー」を交互に二回ずつ観に行って
一つ気がついたことが有りました。
それは登場人物が全員まじめに物事に向かっていれば、視点を変えるだけで
コメディーにもサスペンスにもなるんだな。ということ。
「マジックアワー」のように、最初にネタバレ
(役者にマフィアの芝居をさせているという)が有れば
観客は、まじめにやってる人たちを笑うことができるし、
「アフター・スクール」のようにすべてを観客に内緒にしていれば、
観客も登場人物と同じように
まじめに物語に取り組むので、サスペンスとして楽しめる。
その二つは、構造上結局、同じことなんじゃないか? そんな風に思いました。
そんなのは当たり前のことだし、今更気づくようなことじゃないのかもしれませんが
そのとき自分の中では、すごい発見したかのように感じました。

そして、この「HOT FUZZ」は、観客がどっちの見方をするのかを
選ばせてくれるような作品でした。ばかげたギャグがすごくある訳ではなく、
主人公が必死になっているのが滑稽に見える。
しかもその中にミステリーの種が含まれている。
という、実に緻密な作りになっています。

せっかく、日本で公開してくれたわけですから、みなさんも
良かったら観に行ってみてはいかがでしょうか?
きっと後悔はしないと思います。

が、一つ感じたこと……
この作品、話題になりすぎているようで、お客さんが笑いすぎでちょっと嫌でした。
面白いところで笑うのはもちろんいいんですが、軽いぼけだったり、
ただの前振りだったりする部分でも大笑い。
ホントに心から笑っているんでしょうか?
どうも僕には「俺、この笑いのセンスわかってるぜ」的な
大げさな笑いに聞こえてしまって……
渋谷のGAGAで観たんですが、そういえば、
以前ここで観た「ムトゥ」もそんな感じでした。
うーん。僕は渋谷の映画館は向かないかも……
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# by poaroman | 2008-07-14 21:31 | 映画

ザ・マジックアワー

三谷幸喜監督の待望の新作。
三谷さんが新作映画を撮っているという話を聞いたのは
いつだったろうか? たぶん1年以上前なはず。
そして去年の夏、ついに映画の記者会見があって、
その中で三谷さんは
「台本は、コメディーとしてはこれまでで一番質の高いものだと思っています」
とコメントしていました。
その後も、公開されるよりずっと前から
劇場予告が行われたり、テレビや雑誌での告知が相次いでいました。
1年間待ちに待った三谷さんの新作映画
「ザ・マジックアワー」をついに公開初日に観てきました。

感想は、もちろん面白かったです。
劇場では何度か声を出して笑う場面がありました。
シチュエーションは、いわゆる「サボテンブラザーズ」形式。
コメディーとしては、ある意味オーソドックスな形。
「ギャラクシー・クエスト」や「バグズ・ライフ」も同じパターン。
コメディーではないですが「フライトナイト」もこの形ですね。
三谷作品では「合い言葉は勇気」などがこのパターンを踏襲しています。
どれも僕の大好きな作品です。
そういえば、今回のヘロQの公演「マッハ・レコーディング a Go!Go!」に関しても
最終的な案に落ち着くまでは、このパターンのコメディーを考えたりもしました。

流石に、三谷さんが自信を持って届けるコメディーだけに
すごい! と思わせるシチュエーションギャグが
そこかしこに散りばめられていました。
失礼ながら、これまで佐藤浩市さんという方は、実はそこまで
好きなタイプの役者さんではなかったのですが、
あんな表情が出来るんだと思ってビックリして、大好きになりました!
もちろん、映画自体には大満足で、キーホルダーまで買ってしまったのですが……

ただ、どうやら、僕の自分で上げていったハードルが
高すぎたようです。
初めて「12人の優しい日本人」を観たときや
「君となら」のお芝居を映像で観たとき、
更にいうなら劇場で「THE・有頂天ホテル」を見た時程の
驚きがなかったのは事実でした。
もちろん全て僕の問題なのですが。
事前に告知されていたシチュエーションと三谷さん自身が一番質の高い台本
といっていた事から、僕の中だけで勝手に
「全員を巻き込んだ勘違いコメディ」だと思いこんでしまっていたようです。
「君となら」の流しそうめんのシーンのように
全部の台詞と行動が伏線で、最後には全員の勘違いのベクトルが、
別方向に向きながらも俯瞰で観ると、その別々のベクトルが、
一個の巨大なベクトルになっているような、
そんな「勘違いの爆発」を勝手に期待していました。
しかし、この映画の描きたかった部分は、そこではなかったようです。
僕としては、それが少し残念でした。

とはいえ、この映画には、
バカな偶然と、それぞれの業が生み出すにっちもさっちもいかない状況と
騙す者と騙される者、そして勘違いが渦巻いています。
間違えなく今、日本で最高峰のコメディー映画だと思います。

僕が思っていた形とは少しだけ、違いましたが、
それでも僕は、待ちに待った三谷幸喜最新作で、
「コメディーとしてはこれまでで一番質の高い台本」であるこの映画を
少なくともあと2回は観に行くと思います。
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# by poaroman | 2008-06-08 01:24 | 映画

アフター・スクール

ヘロQの公演が終わったので久々に映画に。
大泉洋さん主演の映画「アフタースクール」を観に行きました。
脚本がしっかりした非常に良い映画で、驚いてしまいました。
観に行った理由は、大泉さんが主演だからという安易なものでしたが、
その他の主演陣の堺雅人さんも、佐々木蔵之介さんも好きな役者さんだったので
はじめて劇場予告を観たときから、観たいとは思ってました。
「cut」などの特集でもかなり期待度は高まっていましたが、
想像以上に僕好みの映画で驚きました。
ただ、全体的に、展開や画面が地味で、というか淡々としていて
コメディーとしてみるなら、笑いが少ない印象でした。
「せっかく大泉さんなんだから、もっと大泉さん的なシーンが観たい!」
っていう部分があったんですが、
逆に変にギャグや画面の派手さに走りすぎずに
脚本の良さをあっさりと見せてくれる手法が良かったというか
好感が持てる感じでした。
(凄く上からな映画評になってしまった!申し訳ありません)

監督脚本を担当されているのは、「内田けんじ」さんという方で
「運命じゃない人」を撮られた方ということ。
「運命じゃない人」は、公開時に観に行こうと思ったんですが、
ぴあの紹介に「恋愛したい人のための映画」
みたいなことが書かれていたので、止めてしまった覚えがありました。

映画館を出て、そのままTSUTAYAにいって「運命じゃない人」のDVDを購入。
家に帰って早速見ました。
で、ビックリ「アフタースクール」に負けず劣らず緻密に作られた脚本。
素晴らしい裏切りや、入れ違いが展開されているのですが、
「アフタースクール」に輪をかけて地味。
役者から画作りから、一瞬たりとも派手な部分がありませんでした。
もちろん、それが悪い訳じゃなくて、むしろ良い部分なのですが、
コメディー映画とは言い難いほど、あまりにも淡々と
ストーリーが展開していきます。
「そりゃあ、ぴあでもなんて表現したらいいかわかんないや」
と思ってしまいました。
あ、ちなみにこのDVD。
パッケージ裏が相当ネタバレなので、観ない方がいいです。
僕は観て失敗してしまいました。

とにかく内田監督という方は、これを撮りたい人なのあれば
「アフタースクール」はかなりがんばって、
派手な映画を作ったんだと勝手に思ってしまいました。

「モンティーパイソン」や「俺たちフィギュアスケーター」のような
とにかくバカなギャグが続くコメディーも素敵ですが、
たまにはこんなおしゃれで、土台のしっかりしたコメディーもいいですね。
内田監督、ファンになりました。
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# by poaroman | 2008-05-28 01:22 | 映画



POARO 伊福部崇の雑記です。
by poaroman

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